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スポーツカイト

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ロッドの種類とロッドの知識
炭素繊維樹脂を知る

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カーボン・ロッドの種類


SasieSinga200.jpg (58960 バイト)最近のスポーツカ
トのフレームは、軽量な炭素繊維で作られた、とても折れにくい組織を持つ、カーボン・グラファイト製のロッドによって組まれています。初期のスポーツカイトは、カーボンではなく、丈夫だけれども重い、ファイバーグラス製のロッド組みでした。現在でも、低価格なスポーツカイトやオモチャのカイトでは、ファイバーグラス(FRP)のロッドが普通です。しかし、スポーツカイト専門店で販売されているような、本格的なスポーツカイトでは、もはやファイバーグラス製のロッドは使われていません。

現在でもカーボン・グラファイトのロッドは高価格な高級品ですが、それでも、ひと昔前と比べると比較にならないくらいに低価格になりました。スポーツカイトが、子供の凧とは全く違う価格帯にあるのは、カーボン製のロッドを主材料としているために他なりません。

スポーツカイトに使われているカーボンのロッドを大別すると、成形法により、「プルトルーレッド」「ラップ・ド・カーボン」の2つに分かれます。(プルトルーレッドは読みにより、プルチュアードとも言いますし、ラップ・ド・カーボンもラップ・ド・グラファイトとも言います。) プルトルーレッドのロッドはプルトルージョン成形法(引抜成形=金型の中に熱可塑性樹脂と強化繊維を含浸させ加熱硬化させて作る)で作られたパイプ状のロッドです。表面はつるっとしており、径は細めで、そのわりに肉厚の、弾力性のあるストレート型パイプです。工場で量産しやすいため価格が安く、安価なスポーツカイトには多用されています。

Sashie-watsnu240.jpg (48930 バイト)ラップ・ド・カーボンのロッドは、プルトルーレッドとは成形法が全く異なります。太さのわりにパイプの肉厚は非常に薄く、とても軽いカーボン・ロッドです。カーボン繊維のCFRPシートを少しずつずらしながらぐるぐると巻いて作ったパイプなので、肉厚を薄く保ったまま、直径を太くすることができ、それだけ、曲げ強度に強いものが作れます。一般的なラップ・ド・カーボンはロッドの表面にテープ状の巻き跡が段々になって残っているので、一瞥するだけでわかります。段ダラになっていたらラップ・ド・カーボンだと思ってもらってもいいですが、ラップ・ド・カーボンでも、その段ダラを機械でサンディングして、滑らかに磨き上げ、更に塗装してつるつるにした仕上げの製品もあります。

ラップ・ド・カーボンはプルトルーレッドよりも、価格的にずっと高価なので、より上級のカイトに使われています。ラップ(Wrap)とは英語で巻くということですが、巻いて作られている関係上、巻きを解く方向に強くひねると壊れやすい欠点があります。カイトのコネクターからロッドを抜くときは、決してヒネリながら抜かないでください。ヒネリには弱いですから。

例えば、「Skyshark5PT」という名前のラップ・ド・カーボンがあります。米国の「Skyshark」という会社の製品で「5wrap」であることを意味し、最後の「t」はテーパード(先に行くほど細くなる形状)を指しています。ラップ・ド・カーボンは巻き数が多いほど強固ですが、それに比例して、少しずつ重量も増えます。

Std仕様のクラスでは、3ラップから5ラップが多く、強風用のベント仕様などでは7ラップから8ラップを使うこともあります。弱風用のUL仕様では、2ラップから3ラップを使用することが多いです。5ラップではもう重過ぎます。4ラップとか6ラップというのはあまり聞きません。スポーツカイトに使用されるのは、2、3、5、7、8の各ラップ数です。
 
SashieHP117-004.jpg (32535 バイト)微風時に使用する、UL仕様(ウルトラ・ライト)のスポーツカイトにはラップ・ド・カーボンが不可欠です。また、ラップ・ド・カーボンは径に対する剛性が高いため、スタンダード仕様のカイトでも、剛性を重視した設計のカイトでは、ラップ・ド・カーボンを使用しています。フレームすべてをラップ・ド・カーボンで組上げたスポーツカイトは軽くて頑丈なので、高級な仕様ほど、そうなっています。

反面、プルトルーレッドのみで組み上げたカイトは、どちらかと言えば、スポーツカイトの価格を抑えるためです。よって、あまり高級ではないスポーツカイトのスタンダード仕様や、それほど強度を必要としない小型のカイトに使用されることが多いです。また、プルトルーレッドとラップ・ド・カーボンのいいところを混合し、2種、3種の異なったロッドでフレームを組む場合もあります。軽くて丈夫なカーボン・ロッドはスポーツカイトには絶対不可欠ですが、軽いほど、あるいは丈夫なほど、価格は急角度で高くなりますので、通常はコスト・パフォーマンスを考えた範囲での使用にならざるを得ません。

ストレートとテーパード

CTC-240Iconb.jpg (47842 バイト)プルトルーレッドのロッドは、端から端までが、同じ太さのストレートのロッドですが、ラップ・ド・カーボンには、テーパードになったものと、ストレートの形状の2種類があります。
テーパードとは、ロッドの太さが先に行く程細くなっているものです。最近のスポーツカイトはこのテーパードを使用したものが多くなり、センターロッドにすら、テーパードを使ったカイトも多く見られます。なぜ、テーパードを使うのでしょうか。

スポーツカイトのフレームに「しなり」を必要とする部位にはテーパードが有利で、また強度に対する重量比からも幾分有利であるためです。ただし、瞬間入力パワーが非常に大きい、トリック重視のトリックカイトでは、入力したパワーをしならせないままダイレクトに運動として伝えたいがために、リーディング・エッジさえも、ストレート・ロッドで組む場合も少なくありません。スポーツカイトは飛びのスポーツ性を求めるがゆえに、使用するロッドの反発力をどのように利用するかは、設計者の目指す目的によって違うのです。

よって、部位に対し、いかにうまく使い分けるか、であり、どちらの形状が優れているか、という問題ではありません。また、スポーツカイトは空中に浮いて飛ぶ飛行体であることから、ロッドの選択はストレートかテーパードか、というシンプルな選択肢からだけではなく、曲げに対する反発力の度合いや、ロッドの重量を部位に応じて配分して、フレーム全体の剛性比や重量比を考慮して作られrod.jpg (23125 バイト)ています。よって、場合によっては剛性の有り過ぎや軽過ぎが、逆にメリットにならない場合もあるのです。そう考えると、スポーツカイトは、結構、工学的な考えが反映した道具であることがお判りでしょう。


カーボンの特性


SashieHP240-017.jpg (46175 バイト)カーボンと一口で呼ばれていますが、正確に言えばカーボンとは炭素(元素記号C)のことで、炭素繊維を樹脂に含浸させ、加熱硬化させたシートで作られたパイプです。つまり、カーボンのロッドは炭素の強化繊維をエポキシ樹脂の基礎材料で固めて作られているので、対ショック性に優れ、また非常に軽量です。

カーボン繊維はある方向には変形しやすい反面、ある方向には曲げに強い特性をもっており、その特性を利用して、曲げ方向を利用した角度にバイヤスさせ、積層することで、曲げの強さの度合いを自由に決めることができるのです。これを専門用語ではテーラリングといいますが、組み合わせ方を変更することで、いかなる水準の強度や反発力のある製品をも作ることができます。

これらはロッドのようなパイプ形状のものだけでなく、四角型状や平面のものも含め、将来的に非常に有望な材料”Composite Material”とされています。将来は量産自動車のボディやフレーム、そして飛行機の主翼もカーボンを多用したものになるであろうと言われていますが、(既に部分的にはRTM成形法で製造されつつある。)現時点ですら需要が供給を上回っています。ただ、普及が遅い原因として、金属プレスのような迅速な加工がし難い特性のため、F-1車両とは違う、乗用車には量産が困難です。しかし、今後、新技術で加工が革新されると一気に普及すると思われます。


ロッドメーカーとその供給

Sasie-LynxFly240.jpg (48881 バイト)世界のスポーツカイトに使われているロッドのメーカーで、最大のシェアを持っているのはどこのメーカーなのでしょうか。スポーツカイトのロッドメーカーの浮き沈みは非常に劇的で、実に危なっかしいものであることを、これまで見てきました。

かつて「AviaSports」と「Skyshark」が拮抗していましたが、一時はAviaSportsが世界の80%位を握るまでに独占したことがありました。しかし、最近はSkysharkが盛り返して逆転し、既に圧倒的なシェアを独占し、AviaSportsは消えてなくなりました。そして残りの僅かのシェアの中に、いくつもの零細なロッドメーカーがひしめいているのが実情です。古くからのフライヤーはG−forceとかSkinnyとか、Avia230とか、そういう名前を聞いたことがあると思いますが、これはAviaSportsの非常にポピュラーな製品名でした。また、P200とか5PTとかは、Skysharkの主力的な製品です。他にExelとか、Advantageとか、こんなメーカー名も聞いたことが有るかもしれません。AviaSportもSkysharkもアメリカの量産ロッドメーカーです。英国やチェコのロッドメーカーもありますが、世界のスポーツカイトメーカーの大多数は、アメリカ製のカーボンロッドを使ってスポーツカイトを作っています。

国籍の異なる世界各国のスポーツカイト・メーカーがなぜ同じロッドを使っているのか、と思われるでしょう。それはこのようなスポーツカイト用のロッド供給の仕組みが既に確立されており、共通のロッドを使用することで、共通のパーツが使えるメリットもあるからです。

もし、あなたが自分のスポーツカイトを末長く使いたいとして、それにSkysharkのような大手のロッドメーカーのものが組まれている製品ならば、ロッドが入手不能になる危険性あまりありません。しかし、中小零細なロッドメーカーの場合、ショップ自身がしっかり在庫できる力を持っていない限り、僅か1〜2年の間に入手不能になることがあるのも、スポーツカイト業界のロッド事情なのです。最近は外径が特殊な中国製品などもあります。サイズが特殊だと、パーツが壊れた時、合うパーツがないので気をつけなければなりません。とりあえず国際標準のものならば安心です。

高級化の波

Mad8-StdGY240f.jpg (51463 バイト)そのようなスポーツカイトのロッドにも、最近は量産品とは違った、高品質なものを求める層が世界的に拡大しています。高価格品であっても売れるため、市場の一角を形成するようになりました。それらを製造している技術水準の高い、高級カーボンロッド・メーカーは販売好調なため、量産メーカーも、それを無視できなくなっています。SkysharkもBD-NITROのような高級なロッドを開発販売するようになりました。

高級なロッドで最も知名度があるのは日本製のロッドです。聞いたことがあると思いますが、その名前はAERO−STAFFです。非常に高価ですが、特に競技に熱心なフライヤーには世界的に支持されています。少し前、スポーツカイト・メーカーのR-SkyがICONという高級なロッドを開発し、販売に漕ぎ付け、3年間くらい販売しましたが、フランス国内の製造工場難でいまは一時中止しています。実際、炭素繊維(カーボン)は、いま航空機産業などで大量に使うようになったため、素材が非常に不足しており、(新規参入増で生産が追いつくまでに数年かかると言われています。)ニッチな産業で少量しか生産しないスポーツカイト業界にまでは、CFRPシートが回り難くなっているためです。スポーツカイトのゴム製のパーツを作っているメーカーでも、本業が自動車産業の関連企業だったりしますから、デトロイトが忙しいと、素材が回らなくなることは良くあることです。ですXTZ-15.jpg (14106 バイト)から、いつも何かが不足しており、スグに間に合わないことが頻繁になりつつあります。スポーツカイトも世界のハイテク事情の波に大いに影響されているのです。

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