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スポーツカイトのライン調整やロッドの修理の基礎知識 

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ラインの種類とラインの知識

ラインの品質
スポーツカイトは凧ですから、飛ばすためにはコントロールラインが必要です。オンライン・カタログのページを見るとと、何種類ものラインが揃えてあって、初心者はどのラインを選んでいいか迷ってしまうに違いありません。
凧用のラインには、一般的にポリエステル(ダクロン)系、スペクトラ系、そして特殊なものとしてはケブラー系などのラインもありますが、現在、最もポピュラーで、よく使われるラインはスペクトラ繊維のラインです。ポリエステル系ダクロンのラインはスペクトラ・ラインに比べ、引っ張り強度が劣り、また、使用中の伸びも著しいため、トーイとしてのカイトやワンライン・カイト以外では、最近のスポーツカイトにはあまり使われなくなっています。低価格の小型のカイトにセットされているラインはダクロン系が多いですが、出来ればスペクトラ・ラインをお使いになることをお薦め致します。エスクのホームページ内の「アクセサリー」のページに掲載されているスポーツカイト用のラインは、スペクトラ・ラインです。このラインは伸びも少なく、ダイレクトな手応えで飛ばせるので、カイトをより正確にコントロール出来るのです。
スペクトラ系のラインは、普通、次のような商品名で呼ばれています。スピードライン、スペクトラライン、アドレナライン、レーザープロライン、ダイニーマ、プロテック、スカイラインなどがそうです。スポーツカイトの競技会などで使用されているラインはすべてスペクトラ系の各社のラインです。スポーツカイト用のラインはおもちゃの凧糸とは全然違います。よって、値段もそれより高価です。それでも、エスクの販売価格が例外的な超低価格であることがおわかりでしょうか? 

ラインの伸びについて
スポーツカイトのラインはボビンに巻かれたものと、ワインダーに巻かれたものとがありますが、通常、ボビンに巻かれたものは「ノンストレッチのライン」です。スポーツカイトはサイズも大きく、また曳きも充分ありますから、たとえスペクトラ系のものでも、多少は伸びが生じます。それを事前に機械で強制的に伸ばしたライlain11.jpg (23704 バイト)ンは、「ストレッチ済ライン」といわれています。概ね、ワインダーに巻いて販売されているラインは、このストレッチ済のちょっと高級なラインが多く、ボビン巻きのラインよりは、価格も高めですが、そのまま使えるメリットがあります。エスクで販売しているラインでは、アドレナ・ラインやレlain2.jpg (24029 バイト)ーザープロ・ライン、プロテック、スカイラインはストレッチ済のラインです。また、スペクトラ・スピードラインはボビン巻きのラインで、ノンストレッチです。ラインをお求めになる時は、ストレッチの有無を確かめてお買い求めください。しかし、ストレッチされていないから悪いラインということは有りません。自分で引っ張ってストレッチすれば安定します。また、ストレッチ済のライ ンであれば、今後一切伸びる心配は無い、という訳ではありません。大幅に伸びないけれども、最初の内は特に、少し伸びて、左右の長さに狂いが生じてきます。よって、最初の内は頻繁に長さをチェックして、調整してください。使って行くうちに安定して来ますが、スポーツカイトを正確に操作するためには、定期的にラインの伸びをチェックする習慣をつけることが大切です。

ラインの長さ
ラインには、その太さと長さが表示されています。初心者の時にはこれがよく分からず、どれを買っていいか迷います。アメリカ製の場合、太さはポンドで表示され、長さはフィートで表示されています。例えば、「80lb/100ft 」このようにです。これは、80ポンドの100フィートのラインであるという表示です。まず、長さから説明致しましょう。100フィlain6.jpg (23631 バイト)ートは30メートルですが、通常の広さの場所で飛ばす場合は30メートル位の長さは手頃な長さです。一般的に30メートルから40メートル(100フィートから130フィート)までの長さのラインを使用するフライヤーが多く、それ以上の長いラインを使う方は、少ないと思います。競技会では、競技フィールドの広さに規制があるために、36メートルから39メートル程度の長さがよく使われます。古い本やVTRでは45m位の長さを推奨したりしていますが、海外では長いラインを使用しているためです。ポンド表示はアメリカ製品のためで、これに0.45kgをかけるとkg表示になります。最近はヨーロッパ製のいいラインが日本にも入るようになりました。ヨーロッパ製はKgとm表示です。古い日本人フライヤーが、メートル法の日本でポンド・フィート表示をいまも使うのは、日本にスポーツカイトが入ったとき、それはアメリカからで、当時はポンド表示のラインしかなかったためです。

スポーツカイトは、それをコントロールさせて飛ばすところに醍醐味があります。ですから、高さを競うシングル・ラインの凧とは違い、ラインが長ければいい訳ではありません。スポーツカイトはコントロールするラインが長くなると、カイトの動きが緩慢になり、逆にラインが短めだと、挙動がクイックになります。よって、30メートルから40メートルの間の長さのラインは、丁度バランスした長さでもあるともいえましょう。ラインをお買いになる時は100フィート、あるいは120〜125フィートをそのまま使うか、150フィートをちょっと切って使うかを考慮して、お求めください。
なお、最近のようにトリックが流行ってくると、ちょっと小さめのクイックなカイトが多くなっています。その場合、25mくらいの長さのラインはラインがよく視認できる長さでも有り、トリックの練習に向いています。

ラインの強さ
さて、ラインの強さはどんなものがあるのでしょうか。下から30ポンド、50ポンド、80ポンド、90ポンド、100ポンド、150ポンド、200ポンド、300ポンド、500ポンド、こんな段階になっています。この間の半端なポンドもラインとしては存在しますが、一般のショップには置いていません。また、80ポンドから100ポンドの間が10ポンド刻みになっていますが、これはメーカーによって奇数、偶数があるためです。レーザープロラインは50/90/150で、アドレナラインは50/80/100/150であり、これはサイズ間隔の違いによるものです。競技者がシビアな状況下で使用する場合を除き、10〜20ポンドの違いはカイトの飛びに大きな影響を与える範囲ではありません。よって、神経質になる必要はありません。ただし、風速に負けて切れることのない強度はお守りください。なお、使い古して来ると、束ねた糸のいくらかは切れて、全体はほそくなり、急激に強度が落ちることも覚えておいてください。

風の強さとラインの関係
初心者が最初に買うラインとしては、80〜100ポンド(40kg〜75kg)のラインがベターです。このラインの強さは、風の強さと連動して考えていただいて結構です。ラインは他の活用方法もありますが、それは後述します。初心者が練習に使用するカイトは普通はスタンダードに属するカイトです。カイトの風速別の種類には、スタンダード(STD)の他、ウルトラライト(UL)、スーパーウルトラライト(SUL)、超強風用のVented(ベント)がありますが、スタンダードは、普通の風用と理解していいでしょう。その普通の風にマッチしたラインの強さ(曳きの重量)が80ポンドから100ポンドのラインです。充分に風があれば、80ポンドと100ポンドの20ポンドの差に神経質になる必要はありません。では普通の風とはどの位でしょうか。風速で言えば、2m/秒くらいから3.5m/秒の風で、木の葉がヒラヒラし、旗が軽くたなびく程度の風です。木の枝は小枝はしなっても大枝はまだしならない位の心地いい風が、この位の風速です。風速計をお持ちになっていれば、その都度、計って、風速を肌で覚えることが出来ます。ウン万円もする高級な風速計でなくてもいいですから、目安として風速を計れる、ドワイヤーの風速計くらいは(安価ですので)、お持ちになった方がいいでしょう。

もう少し風が強くなり、木の枝がしなり、飛ばしているカイトの曳きがズンと増してきたら、100ポンドまでのラインは切れる危険が迫っています。ラインの曳きが徐々に曳き増して行く場合は、結構強くて、容易には切れません。しかし、風が強まると、突風的な部分があったり、力一杯ターンしたりと、何かとカイトには強い負荷が瞬間的にかかるもので、その結果、切れるのです。そのような風速4m/秒を越えると、ラインは150ポンドに交換してください。もし、80ポンドのラインを1種しか持っていない場合は、カイトの飛行を止めてください。ラインが切れると、カイトが墜落破損するだけではなく、そのカイトが飛び去るようなことになると、事故につながる恐れがあります。構わず強引にやるのはマナー違反です。ラインからピューッと高音の風切音が出るようだと、そのラインを使える限界に来たと思ってください。(エアブレーキの装着もその風速対策のひとつです。)また、スポーツカイトには大きさにかかわらず、曳きが強めのカイトと曳きが弱めのカイトがあり、強めに曳くカイトでは、早めに強いラインへ交換しなければなりません。

ラインと空気抵抗の関係
風速が6m/秒、10m/秒となっても、適切な対応をしていれば、スポーツカイトは飛ばせるのです。逆に風速が1m/秒しか無くても、ULもしくはSULの軽いカイトに50ポンドのラインを付ければ、その弱い風の中でも飛ばせます。
弱い風の中では、100ポンドのラインを使うよりも、50ポンドのラインの方がいいのです。その理由は、ラインの抵抗が存在するためです。カイトが左右に飛ぶ時は、ラインも空気を切り裂いて追従しています。その時は、ラインの重さだけでなく、ラインの太さも空気抵抗となっており、空力的にはエアブレーキの状態にあり、風が弱い時は、出来れば抵抗も無い方がいいのです。しかし、細ければ細いほどいいとして、30ポンドのラインにまで下げて使うと、抵抗値は低いですが、ラインが非常に細くて弱いので、ちょっと無理しただけで簡単に切れてしまう危険も大きいのです。(カイトに慣れた人で無いと加減がわからず切りやすい)そういう意味では50ポンドはバランス上、意味有るサイズといえるかも知れません。

ラインの抵抗はラインが太くなるとかなりなものになり、それを利用してカイトの性能をコントロールする工夫が行えます。例えば、ガスティと呼ばれる、不安定な風の時、カイトはエアポケットの中の飛行機のように揺すられます。こういう場合、軽いカイト(例えばULのような)に重いラインをつけると、ライン抵抗で、カイトの小刻みな揺れを押さえ、安定性を増します。よって、競技の場ではULに200ポンドラインを使うことだってあるのです。ULは50ポンドか80ポンドしか使わない、という常識は必ずしも通用しません。また、風が強めで、スタンダードのカイトのスピードが上がり過ぎる時、エアブレーキでスピードを抑えるのは一般的な手法ですが、エアブレーキによって、今度はスピードが落ち過ぎたり、トルク不足でコントロールがダルになったりして、トリックがやり難くなったり、と、そんな弊害もよくあります。そんな場合、通常ならば150ポンドライン+エアブレーキを使うシチュエーションでも、200ポンド、あるいは300ポンドのラインをつけて、エアブレーキ代りにする。そういう使い方もあります。こうすることで、エアブレーキほどの減速効果はありませんが、ある程度の減速効果を得ながら、クイックなコントロール性は保てるからです。どちらがいいとはいえません。カイトの機種による相性と、その時の状況によりますが、このような使い方は競技下ではよく行います。ラインの使い方に精通すれば、もっともベターなカイト・セッティングにも役立つのです。 ページの先頭



ラインの長さ調整の仕方

ラインを買ったら左右の長さを合わせる
ノンストレッチのボビン巻きラインは1セットに2本の巻きが入っています。これをカイトの左右につける前に、左右のラインの長さが同一になっているかどうかを確かめておかねばなりません。カイトをコントロールする際、左右のラインlineloop2.jpg (23945 バイト)の長さが異なると正しくコントロールできません。初心者や遊びで飛ばす場合でも、左右の長さの誤差は1センチ以下にしたいものです。競技者では5ミリ以下の誤差でも気にする人もいます。
大体、日本人の感覚では、2本のボビンに巻かれたラインは互いにピッタリ一致すると思いがちですが、ラインは殆ど輸入品で、海外の人のやることは、まさに”お・お・ら・か”なんです。左右のラインの長さが1メートル近く違っていても驚いてはいけません。自分でちゃんと切って合わせればいいんですから。 

まず、糸というものは”もつれたがる性質”をもっていることを念頭に入れてください。甘くみると、手痛い目に会いがちです。よって、決して狭い部屋や、家の廊下などでやろうとしてはいけません。(廊下の長さが40mもあるようなお家の方は別ですが。広い戸外がよろしい。)地面にしっかりとペグを打ち込むか、どこかの壁や柱に引っ掛けられるものがあれば、そこにラインの片方を輪にして引っ掛けます。ラインの先が輪になっていない場合は直径が30センチ位の輪を作り、コブを2つしてください。左右のラインは全く同じ大きさの輪にします。ラインの端に既に輪が作られている場合は、それを引っ掛けます。ラインの色は白でもカラーでも構いませんが、左右の区別が付くようにします。ラインが霜降りのように2色混の場合は、よく見ると黒系と赤系になっていたりして、左右のラインの色が異なるようになっている場合もあります。もし、左右の色が同じ場合は、ラインの端の一方にマジックインクで色を塗って区別出来るようにしておいてください。これは反対側のラインの末端もその色にしてどちらが右側に付いたラインかが判別出来るようにしておきます。

もつれないようにボビンからラインを伸ばして行きます。全部伸ばしきったところで、左右の長さを比べます。多分、まず、というべきか一致していないでしょう。これは、ストレッチ済のラインで、スリーブもちゃんとついた、結構高価なラインでも、(Ready to flyと書いてあるものでさえ)多少の不一致は良くあります。ここで、左右の長さの調整をしなければなりません。

スリーブのついていないラインの場合
左右のラインの長さを簡単に合わせるための道具として「イコライザー」が有ります。イコライザーは天秤秤のような理屈で、左右の長さを合わせますが、きちんと合わせるためには、しっかりとラインを引っ張って行ってください。ラインを合わせる時に、同時にストレッチしてください。そして、左右直径30センチくらいの輪を作ってやります。そして、余分のラインは切って左右揃えます。ラインは細い繊維の集合体で作られていますので、切り口がほつれやすいですが、ライターの火で切り口をちょっとあぶってやると、毛先が燃えて溶け、ほつれなくなります。イコライザーが無い場合は、両方のラインを一端繋いで、思いきり引っ張ってストレッチし、折り返しの中心から計って、切れば左右同じになります。(イコライザーを使わない場合、やりかたにコツがあるのでイコライザーをお薦めします。)

スリーブのついているラインの場合
スリーブとは、ラインの先端に袖のようにパイプ状の繊維の筒がかぶせてあlain5.jpg (22740 バイト)るものをいいます。何のためにつけてあるかというと、まず、これがあると、ラインの根っこの最も負荷のかかるところが補強されること、それと、ラインに指先でラークヘッド・ノットを作って、カイトのブライドルのコブに取り付ける時、これの取り外しが、ラインが太くなっている分、やりやすいこと。ということで、スリーブのついていないラインにスリーブを自分で付けるにlain4.jpg (23439 バイト)は、スリーブだけを買うこともできます。カイトにセットで付いているライン等はサービス特価が多いので、ついていない場合も多く、そういう場合はそのままスリーブ無しでも、当面は別に使用上、差し障りはありません。

スリーブがある場合は、まず、スリーブの根元のコブを解き、スリーブがライン上をスライドする状態にします。そして、左右のラインの短い方に長さを正しく合わせ、再び、輪を作って、コブをしてやります。この時もイコライザーがあると便利です。コブの分だけラインが短くなることを考慮して行ってください。
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スリーブの通し方

スリーブを買って来て付ける場合は次のようにします。
スリーブは片側につき、30センチか40センチくらいを切って用意します。そのスリーブの中にラインを通すわけですが、ラインの太さに合った太さのスリーブが必要です。大体、80〜100ポンド用と150〜200ポンド用が有れば間に合います。ラインのように細かくサイズ分けされていませんので、ぶかぶかでなければ大丈夫でしょう。スリーブの中にラインを通すための専用の道具もあります。(エスクのホームページのアクセサリーのスプリーバーという道具)自分で作る場合は、非常に細い鋼の針金が1本あれば代用になります。針金を半分に折り、スリーブの中に入れて、スリーブから出たところで、その折り曲げた針金の間にラインを入れて、針金をトンネルから引き出せば、ラインはスリーブに通ります。

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ロッドの種類とロッドの知識

カーボン・ロッドの種類
最近のスポーツカ
トのフレームはカーボン製のロッドによって組まれています。初期のスポーツカイトは重いファイバーグラス製のロッドでした。現在でも、一部の安いカイトにはファイバーグラスのものがありますが、本格的なスポーツカイトでは、最早ファイバーグラスは使われていません。それはカーボン・ロッドの値段が、以前よりは量産され、いまは安くなったからです。とはいうものの、軽くて強固なカーボンロッドは、まだ高級品で、スポーツカイトが子供のオモチャではない価格帯にあるのも、カーボンロッドを主材料としているために他なりません。

スポーツカイトに使われているカーボン・ロッドを大別すると、プルトルーレッドrod.jpg (23125 バイト)とラップ・ド・カーボンの2つに分かれます。(プルトルーレッドは読みにより、プルチュアードとも言います。ラップ・ド・カーボンもラップドグラファイトとも言います。)
プルトルーレッドは成形品で、表面がつるっとした径のわりに肉厚の、しっかりしたパイプです。その反面、ラップドカーボンは同じパイプ径ならば、プルトルーレッドよりもずっと軽く、パイプの肉厚も薄く、カーボンのテープを少しずつずらしながらぐるぐると巻いて作ったパイプです。ラップ・ド・カーボンは軽いまま、直径を太くすることができるので、それだけ、曲げ強度に強いものになるのです。ラップ・ド・カーボンはロッドの表面にテープを巻いた跡が段々になって残っているので、一瞥するだけでわかります。段ダラになっていたらラップドカーボンと思ってもいいですが、、ラップドカーボンでも、その段ダラをサンディングして滑らかにし、更に塗装してつるつるにしたのモノもあります。一般にプルトルーレッドよりも、ラップの方が価格が高いので、より上級のカイトに使われています。
特に、UL以上の軽量な微風用カイトには細くて軽いラップ・ド・カーボンが不可欠です。また、ラップ・ド・カーボンは径が太い分、剛性が高いため、スタンダード型のカイトでも、剛性を重視した設計のカイトでは、ラップ・ド・カーボンを使用しています。プルトルーレッドはスタンダードのカイトや、それほど強度を必要としない、小型のカイトに使用されることが多いです。また、プルトルーレッドとラップ・ド・カーボンを混合してフレームを組む場合もあります。

ストレートとテーパード
プルトルーレッドのロッドは、端から端まで太さの一定したストレートですが、ラップ・ド・カーボンには、テーパードになったものと、ストレートの2種があります。テーパードとはロッドの太さが先に行く程細くなっているものです。最近のカイトの殆どはセンターロッド以外は、このテーパードを使用したものが多く、センターロッドさえもテーパードを使ったカイトも多く見られます。なぜ、テーパードを使ったカイトが多いかといえば、結局は、カイトに必要な「しなり」を得るには、テーパードが有利で、また強度に対する重量比からも有利であるためです。ただし、トリックを重視したカイトでは、入力したパワーをしならずにダイレクトに運動として伝えたいがために、リーディングさえストレート・ロッドで組む場合も少なくありません。スポーツカイトはスポーツ性を求めるがゆえに、ロッドの反発力をどのように利用するかは、その目的によって違うのです。

ロッドメーカーとその供給
世界のスポーツカイトに使われているのロッドの最大のシェアはどこのメーカーなのでしょうか。今までは、AVIA Sportsが世界の80%以上を握っていました。最近はSkysharkがかなり盛り返し、既に主導権を奪い返しています。そして残りの僅かのシェア中に数多くのメーカーがひしめいているのが実情です。G−forceとかSkinnyとか、AVIA230とか、そういう名前を聞いたことがあると思いますが、これはAVIA Sportsの非常にポピュラーな製品名です。また、P200とか3PTとかはSkysharkの製品です。他にはBEMANとか、Advantageとか、Dynamicとか、そんなメーカー名も聞いたことが有るかもしれません。また日本製のロッド・メーカーもあり、AERO−STAFFは、結構いいものを作っていますが、小規模なので高価です。ページの先頭



ロッドは折れるもの

 一端、スポーツカイトをやり始めた以上、ロッドを1本も折らないで済ませるわけには行かないのがこの世界です。カイトが墜落するとロッドが折れるだろうということは覚悟の上で始めても、案外なかなか折れないで済む場合もあります。ところが、そんなに衝撃を加えたようにもないのに簡単に折れてしまう場合もあります。これは、ロッドの製品むらではありません。カイトに掛かる負荷は千差万別で、すべてがテコの応用のような影響を受けやすく、また、それ以前に負った小さな傷が重なって、疲労骨折するケースも多々あるのです。これは経験を積むとよくわかるのですが、初心者などでは、軽い衝撃で折れると、すぐに品質不良と思いがちです。ロッドをコネクターの奥まで差し込んでいなかったり、風速を理解していなかったりも破損の原因になります。初心者でもちょっと腕が上がれば、墜落からは開放されると思いますが、実はうまくなれば、より難しい飛びに挑戦し、それを克服するための過程で墜落は避けられません。よって、上手になるためには、誰しもロッドを折りながら、練習を積んでゆくのです。

ロッドが折れても、ロッドの交換によって、簡単にカイトを元の状態に修理復元することができます。この時に、あまり小さなロッド・メーカーや滅多に使われない特殊なロッドを使用したカイトの場合、そのロッドの入手が非常に難しい場合があります。古いカイトの場合はロッドが廃盤になっている場合や、取り扱う業者が転廃業していたりする場合もあるので、買う店を間違うと後でカイトを捨てるしかないことになりかねません。自社専用ロッドを使わないメーカーのカイトの場合は殆ど心配ありません。

ロッドの交換の方法を覚える
ロッド交換はアッセンブリーで同一のパーツで〇〇用として交換できるものも中にはありますが、大半は既製品サイズのロッドを、カイトの寸法に合わせて切断加工しなければなりません。スポーツカイトはカイトのメーカーとパーツのメーカーは別々で、パーツメーカーは,同一の商品を異なった世界のカイトメーカー多数に供給しており、よって、既製品サイズで部品供給されているのです。カイトは機種によって、サイズが個々に違い、よって、ロッドの長さも違います。スポーツカイトを始めた以上、ロッドの交換の仕方と、ロッドの切り方を覚えるのは必須科目です。
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               ロッドの上手な切り方

ーボン・ロッドと言えば固いものというイメージが定着しています。ですから、そんな固いものが切れるのか、と思われるがちです。でも、ご安心ください。注意すべき点はありますが、容易に切ることができます。カーボンはその名の通り、炭素であり、それは鉛筆の芯と変わりありません。カーボン・ロッドが折れた時は、そのささくれ立った折れ口に触れないように注意してください。鋭い先が指先に突き立って、その先端が皮膚の下で折れると怪我をします。

フェルールが要るかどうか確認する
まず、カイトの構造ですが、翼の縁をリーディングエッジと言います。この中に入っているロッドは普通の場合、上下2本のロッドを中央で差し込み式にして繋いであります。(上下で繋がない1本モノで作ったカイトもありますが)ロッドとロッドはフェルールと呼ばれる棒状のパーツを介して繋いでいますが、フェルールは上か下のロッドに直に接着してあるのが普通です。(フェルールは上側のロッドに付く場合が多いです。)折れたロッドを交換する場合、フェルールが必要かどうかを確かめてください。上側が折れた場合は大抵必要となります。プルトリューレッドのロッドのように細いものは、アルミなどで作られた金属フェルールで、それはパイプになっており、その中にロッドを差し込みます。これは形状から、アウターフェルールと呼んでいます。
(金属製でない場合はGLUSPARというファイバーグラス製のパイプです。)

リーディングのロッドがラップ・ド・カーボンの場合はどのように繋いであるのでしょうか。真中で上下2本のロッドがフェルールで接続されているのは、共通していますが、ラップドカーボンの場合はロッド径が太くて、肉厚が薄いので、フェルールはロッドの中に入っており、材質も、カーボンやファイバーグラスの棒、あるいは切断したロッドが使われます。これをインナーフェルールといいます。このように、サイズと形式の合ったフェルールを用意してください。ロッドだけ買って来ても繋げません。テーパードのラップ・ド・カーボンを使用したリーディングはフェルールは太い側同士で差し込まれ、両端が細い方になっています。また、カイトによって、リーディングの上はストレートで、下がテーパードの場合もありますから、確かめてかロッドを買いましょう。(エスクはカイト名と、その仕様の2点で何のロッドが使ってあるか分かります。聞いてください。)

カーボンロッドを切る道具
さて、折れたロッドを定規にして、新しいロッドに切る位置をマークします。カーsaw.jpg (23390 バイト)ボンは黒いので、シルバーや白のマーカーで、印すると分かりやすいでしょう。ロッドを切る道具は、目の細かいノコギリか,目立てヤスリのようなものが適しています。目の細かいノコギリとしては、工作用のノコギリで、金属板やプラスティック板を切るためのものを、ホームセンターに行って購入してください。「ピラニア・ソー」のようなノコギリは良く切れます。また、オルファの替え刃式の「金切りのこ」(BX138)もお薦めです。但し、これはどれもカーボン切断用のノコギリではありませんから、切れ味を長く保つことはできません。しかし、安くて、当面、何本か切るには刃の厚さが薄く、鋸目も細かく、手軽な道具です。エスクではオルファの替え刃式の「金切りのこ」
をお薦めします。刃を替えれば常にシャープな切れ味が保て、どんな田舎のホームセンターでも、これは大抵置いているからです。

カーボンロッドの特質
カーボンロッドは炭素の塊ですから、目の粗い木工用のノコギリなどで、がりがりやってしまうと、すぐに割れてしまいます。カーボンはとても割れやすい性質があるのです。よって、注意すべきは絶対に丸太を切るような、片側から切り落とすような切り方をしてはなりません。竹を想像してください。竹と同じように、下手な切り方をすると繊維に沿って,ひび割れしやすいのです。その反面、切り口を奇麗に仕上げるために、サンドペーパーで擦ると、まさに鉛筆の芯と同じく、よく削れます。

カーボンロッドを切る
カーボンロッドを切るコツは、周りから少しずつ,溝を掘るように切ってゆくことです。ロッドをグルグルと回しながら、溝を段々と深くしてゆけばいいのです。そうすると、あと少しで切り落ちるところま来ますが、ここで、ポキンと折ったりしてはいけません。そうすると、ピリピリッとひびが入ってしまい、シマッタ!となってしまいます。ロッドには僅かなひびが入っても、そこから折れる原因になります。慎重に、注意深く切ってください。慎重でありさえすれば、決して難しい作業ではありません。思っているよりもカーボンはモロいのだ、と考えていれば決して失敗はありません
プルトルーレッドの場合は、多少、雑でも何とかいけますが、ラップドカーボンの場合は、細くて薄い上、1本の単価も高価なので失敗は許されません。丁寧にやってください。
カーボンの切り口は容易に削れるので、1〜2ミリ長めに切って、サンドペーパーで切り口を擦って削ると、ピッタリな長さに調整できます。
カーボンを削ると黒い鉛筆の削りカスのような粉がでます。これはウェットティッシュでふき取っ捨ててください。鉛筆の芯の削りカスと違うのは、カーボン・ファイバーなので、繊維が含まれており、粉を吸い込むと体に良くありません。極端に神経質になる必要はありませんが、その辺にカーボンの粉を放置して空中に舞うような状態は避けてください。また、粉に含まれた繊維が皮膚に刺さる場合もあります。折れたロッドは炭素なので燃えるゴミとして出してください。
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         ■カーボンロッドを注文する際の注意点

カーボンロッドをエスクに注文する場合、エスクで買ったカイトでしたら、カイトの名前と形式だけでも、どのカーボン・ロッドを使ってあるかは、すべて分かります。あとは折れた個所を教えていただければ、同一メーカーのロッドをご用意できます。エスクでは弱小メーカーのロッドでも、多少、特殊なロッドでも大体のものは持っています。しかし、ロッドメーカーの世界もどんどん移り変わっています。ロッドは殆どが輸入品で、少量しか要らない場合、僅か数本を海外から取り寄せることは、コスト的に見合いません。よって、ある程度まとめて輸入します。しかし、以前は一部の在庫が無くなり、しかも緊急な場合は大手商社から取り寄せていました。ところが、最近は今まで入手が困難ではなかったメジャーなロッドでも、日本総代理店をしていた商社が事業部を閉鎖したり、再編されたりと、激しい波に洗われています。特殊なカイトをお持ちの方は必ず予備のロッドはお持ちになっていた方がいいでしょう。長期間に渡って手に入れ難い状況も充分考えられます。
エスク以外で購入されたカイトの場合でも、ポピュラーなロッドならば、供給可能ですが、海外通販で購入されたニッチなものや、ブローカーからのもの、古いもの。また、おもちゃに近いスポーツカイトのロッドはエスクでは扱いしていません。時にカイトの名前だけでオーダーが入りますが、メジャーでないカイトは多種あって、いくらモノ知りのエスクでも、その手のカイトまで把握してなく、ロッド名すらわかりません。古い時代のカイトのロッドは殆どが、ファイバーグラスなので、99%入手できません。そういうことも考えてカイトは買いましょう。今までメジャーだったメーカーのものでも、安心できません。そのメーカーが倒産したり、事業を廃止したりして、今では希少なパーツになっているものも多数あります。エスクではエスクで売っておきながら、そのパーツが無いとは言えないので、ユーザー保護のため、誰も折らない売れないパーツも在庫して最大限の努力しています。でも、売りっぱなしの業者からパーツの無い無責任なカイト買っておいて、パーツだけが欲しいとエスクに問合せてくる方も多いです。そいうロッドやパーツに限って、エスクでも貴重品のモノが多く、残念ながらそれはお分けしていません。
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               カイト修理と接着剤

スポーツカイトのロッドの接着は、普通、瞬間接着剤を使用します。瞬間接着剤は液体なので、狭いところに流し込みやすく接着時間も短いので好都合ですが、強い衝撃には弱い特長をもっています。 また、あまりにも早く付き過ぎて正しい位置あわせもできないのも困ります。 もう少し、ゆっくりと、また、しっかりとした接着をしたい時は、2液性のエポキシ系の接着剤が適しています。径がピッタリしない場合は充慎剤としても使えます。
ウィスカーのような細いものを径の緩い場所に接着しなければならない場合は、一端、ゴム糊系の接着剤で接着し、その後、その上から瞬間接着剤で抑えると、弾性度の高い接着力が得られます。また、ウィスカーコネクターを止めているセールの補強布の修理や拡大には、布の接着力が強くて、しかも、高grue.jpg (23724 バイト)温な環境にでも耐える接着剤であるSUPER Xのような接着剤は有効です。縫うという作業は、慣れないと大変ですが、貼るという作業なら誰でもできますから。 まあ、高分子化学は私の専門ではないので、多くは語れませんが、カイトの修理に接着という作業は重要です。

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             カイトを組みたてるとき

購入したカイトを組みたてる前に、パーツを全部出して点検します。小さなパーツは、それをなくさないようビニールの袋に入れたりします。また、床に置いたパーツやロッドを自分自身が踏みつけて壊したりしないよう、置き場に気をつけます。風のある戸外では組みたてる間も風に煽られますし、草むらにパーツが落としてしまうと探しても容易には見つかりません。

大方のスポーツカイトはリーディグエッジ(翼の縁)は上下、2分割されており、上下は差し込み式で繋がります。これにより、カイトのたたんだ時のサイズは信じられないくらいに小さくなります。(カイトによっては翼が折りたためない設計になっているものもあります。)左右それぞれにリーディングを差しこんで先端のノックにショックコード(ゴム紐の輪)を引っ掛けます。ショックコードが指先の力ではノックの溝に掛からないくらいキツい場合は、ショックコードに紐を(カイトを入れる袋に付いた紐のような)通して引っ張ると楽に掛かります。この時、リーチラインの付いたカイトの場合はリーチラインも一緒に重ねて、しっかりと引掛けます。
カイトによっては、ショックコードがついていなくて、太目のリーチラインを直に引っ張ってノックに引っ掛け、ロッドに巻きつけて括りつけるものもあります。
よって、ショックコードがついてない!と慌てないように。

カイトが広がると、トップスプレッダー(カイトの頭の方を左右で繋ぐロッド)をリーディングに付いたゴムのコネクターにしっかりと差込みます。そして、次に、ボトムスプレッダーを取り付けます。ボトムスプレッダーの取り付けはカイトによって多少異なります。
1.センターロッド(背骨)にティーコネクターという、コネクターが付いています。T型をしているから略してTコネと言います。これに左右からボトムスプレッダーを差し込む式が一番多い方法。このTコネに6角ネジが付いていて、レンチで締める式の場合は、決して締め過ぎないように。少しずつしめないと、Tコネの樹脂の部分を割ってしまいます。
2.Tコネを貫通させて左右で繋ぐもの。その時は、どこが左右の中心になるかを確かめておくことです。貫通式はフェルール(大抵がアウターフェルールなので)の中心がTコネの中心と一致するようにセットします。最初は通すのが異常に固いかも知れませんが、そのうち緩んで丁度良くなります。
3.
Tコネを貫通させて左右で繋ぐもので片側にインナーフェルールがついており、それに反対側を差込するもの。最近はこのタイプが多いです。

リーディングが左右繋がると、今度はウィスカーを立てます。ウィスカーとは、ボトムスプレッダーとセイルの間に立って、セイルをW型に持ち上げる細いロッドで、その数が左右1本ずつ計2本のカイトと、2本ずつで計4本のものとあります。また、ウィスカーの他に、フレキサーといって、翼端の上または下に、細いロッドが入って、セイルの先の浮きや振動を抑えたりするものを付けるカイトもあります。とくに、フレキサーは無くしやすいので気をつけましょう。
また、ウィスカーなどは細いので折ることがありますが、その時でも、付いている小さなゴムパーツなどは捨てないように注意してください。あとでこういうパーツが入手難だったりするのです。取っておけば何回でも使えるのに。

カイトの組みたては基本的にどのカイトもデュアルラインに関しては,大体同じ仕組のため、ひとつを知れば、あとは応用でわかるでしょう。
カイトによっては、カイトの翼端と尻尾にかけて糸を張ったものもあります。これはボーラインという、翼端にラインを絡めないために付けたラインです。標準として付いているカイトはこれが、翼を制御している場合もありますので、省略してはいけません。また、逆に付いていないものに付ける場合はよく考えて付けないと、翼端が突っ張って性能を落としてしまう場合もあります。

初心者用のカイトでまだ頻繁に墜落から脱していない方は、墜落してロッドが抜けたりしても、あまりキツくしない方がカイトが壊れない場合もあります。分解することでショックを分散吸収しているからです。抜けないように細工したトタンによく壊すようになる場合もあり、必ずしもガッチリさせる方がいいとは言えません。(落とさなくなるとシッカリと組み立てましょう。)
初心者のうちはカイトを組み立てた時、ブライドル(カイト自身についている紐)が、ロッドに巻きついているのに気付かずに飛ばす場合があります。カイトを組みたてたら、左右がちゃんと同じになっているか。ブライドルの左右が別々の場所から出たりしていないか。尻尾などに絡まっていないかも、しっかり確認する「カイトを見る眼」の習慣をつけましょう。
(カイトの部位の名称はメーカーのつけた呼び名やカイト団体のつけた呼び名あるいは、海外の文献の英語あるいはフランス語の呼び名など、同じものを異なった呼び方をしており、統一性がありません。ここでは海外の文献での呼び名ではなく、日本国内の競技フライヤーが一般に使う呼び名で書きました。)

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